5月の感染症情報|はせがわ小児科 京都市上京区 千本一条

感染症情報

5月の感染症情報

2025年05月01日現在の感染症情報

百日咳

 百日咳の患者が全国的に増加しており、京都でも発生が報告されています。百日咳は特徴的な咳が長期間続く感染症です。近年では子どもだけでなく成人での発症が増加しています。感染経路は患者の咳による飛沫感染です。
 通常7~10日間の潜伏期間の後にカゼ様症状で始まり、次第に咳が激しくなります。その後、特有な連続した咳き込みの後、ヒューと息を吸う発作の繰り返しが約2~3週間持続します。乳児(特に生後6か月以下)では無呼吸発作を起こし呼吸が止まって死亡する場合があります。始めの症状から完全に回復するまでに2~3か月(約百日)かかります。
 百日咳ワクチンの効果は接種後10年間ほどと言われており、小児期に接種歴のある大人も感染します。感染力は非常に強力で、単なる咳として放置してしまうと、気づかないうちにワクチン未接種の新生児や乳児への感染源となります。
 抗菌薬の投与を早期に開始することによって、症状の軽減化と有症期間の短縮がみられますが、抗生剤耐性の菌が増えているという情報があります。生後2か月以降、定期接種(5種混合)としてワクチン接種ができます。乳児期の百日咳は重症化することが多く、ワクチンで予防することが最も重要です。

ウイルス性胃腸炎

 保育園中心に下痢嘔吐の感冒性胃腸炎の流行が続いています。今年は小学生の患者も散見されており例年と少し異なるパターンです。ノロウイルスが原因のことが多いと思われますが、経口補水液などによる適切な水分補給で乳幼児以外では重症化することはまれです。

インフルエンザ

 4月になってもインフルエンザの患者がまだみられています。昨年も夏でもインフルエンザがみられていました。冬に流行するものの通年性の感染症になってきているのかもしれません。