6月の感染症情報|はせがわ小児科 京都市上京区 千本一条

感染症情報

6月の感染症情報

2025年06月01日現在の感染症情報

りんご病

 ヒトパルボウイルスB19というウイルスによる感染症です。4~5歳の児を中心に保育所などでの流行がみられています。両頬がりんごのように真っ赤になり、腕や太ももに網目状の紅斑がでます。1週間くらいで自然に治癒し、赤い発疹が出た後は周りの人に感染することはありません。感染力が強いのは両頬に発疹が出る約1週間前頃で、この時期に感染が広がりやすいと考えられています。妊婦が感染した場合は、胎児に異常をきたしたり、流産の恐れがあるため注意が必要です。

百日咳

 引き続き百日咳の患者の発生が報告されています。百日咳は特徴的な咳が長期間続く感染症です。抗菌薬の投与を早期に開始することによって、症状の軽減化と有症期間の短縮がみられますが、抗生剤耐性の菌が増えているという情報があります。生後2か月以降、定期接種(5種混合)としてワクチン接種ができます。乳児期の百日咳は重症化することが多く、ワクチンで予防することが最も重要です。

夏かぜ

 アデノウイルス感染症やヘルパンギーナといった夏かぜの患者が保育園中心に出はじめています。高熱が数日続いたり、口内炎のため食事がとりにくくなったりしますが、特効薬はなく対症療法のみです。